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【小平】東京都薬用植物園で危険な植物を合法的に観察!

東京都随一の薬用植物園である「東京都薬用植物園」。薬用植物というと少し固いイメージを持つ人もいるかもしれないが、薬用植物は漢方やハーブなど私たちの身近にある存在だ。今回は薬用植物園について紹介しつつ、「薬用植物」そのものの魅力についても見ていこう。

多様な薬用植物を見られる都内唯一の「東京都薬用植物園」

東京薬用植物園外観

西武線東大和市駅から徒歩で向かえる「東京都薬用植物園」。都内唯一の薬用植物園ということもあり、薬用植物マニア御用達の場所である。

季節ごとに楽しめる、多様な植物区

植物

東京都薬用植物園では、様々な薬用植物を収集、栽培している。薬用植物は育つのに適している環境もばらばらで、見頃も様々だ。そのため薬用植物園では、その植物に適した環境を作るためたくさんの植物区が用意されている。

まずは、そんな植物区のうちいくつかをピックアップしてご紹介しよう。訪れる際はこちらから、見頃の時期もぜひ確認してみてほしい。

南国の雰囲気が味わえる温室区

丸いサボテン

温室区には、熱帯、亜熱帯に生息する植物が中心に栽培されている。とっつきにくいイメージがあるかもしれないが、実際に行ってみるとサボテンやドラゴンフルーツなど、私たちのよく知っている植物も見ることができる。入口から入ってすぐのところにあるため、ぜひ立ち寄ってみてほしい。

ドラゴンフルーツ

ちなみにこちらは、私たちがよく知っている「バニラ」の植物だ。植物そのものからバニラの香りはしないが、発酵熟成して黒褐色になると「バニリン」という、バニラ独特の香りがする物質を出すそうだ。

バニラの木

また、温室区にはカカオの実もなっていた。チョコレートやココアなどの原料であるカカオだが、直接見てみると予想以上に大きくてゴツゴツしている。
写真には既に成熟してきているカカオが写っているが、なったばかりのカカオを見ることもできるので要チェックだ。

カカオの身

漢方薬原料植物区

ニラ

ニラ

続いては、温室区より少し先に進んだところにある漢方薬原料植物区だ。筆者のように、普段から漢方薬の世話になっている人にとっては、なじみのある植物も多いだろう。

その一方で、漢方を飲まない人でも分かる植物も多数栽培されていたため、いくつかご紹介しよう。
上の写真は食べ物としてもよく知られているニラだ。葉の部分は料理でよく使われるが、葉だけでなく種や茎も「漢方」として使われる。体を温めたり、皮膚疾患を治療したりするのに使われるそうだ。

ハッカ

ハッカ

この花は、のど飴などでよく見かけるハッカだ。解熱作用や抗菌作用、抗アレルギー作用などが効能として挙げられる。

温州みかん

温州ミカンの木

私たちがよく食べる、一般的な「みかん」であるウンシュウミカンも栽培されていた。みかんと言われると食べる印象が強いと思うが、温州ミカンは様々な漢方薬にも活用されている。

しかも、このみかんは成熟した果皮と成熟していない果皮で、効果効能が変わるそうだ。成熟した果皮は食欲不振、消化不良の改善に役立つし、成熟していない果皮は鎮痛に役立つ。
まさに、私たちの健康をあらゆる方法で支えてくれている果物と言えるだろう。

山椒

山椒の木

他にもこちらのサンショウなど、食生活の中で使われている薬用植物が多く栽培されている。名前と植物が思わぬところで一致するため、楽しみながら見れるのではないだろうか。

ケシ・アサ試験区

 

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麻薬の原料となるモルヒネを含有している「ケシ」、言わずもがな大麻の「アサ」など法律で栽培の禁止された植物を都内で唯一見ることができるのも薬用植物園の魅力だ。ケシ・アサ試験区では、2重の檻でしっかり管理されたケシやアサを見ることができる。
ケシは5月、アサは9月が見頃になっているため、ぜひその時期を狙って見に行ってみてほしい。

不正なケシの見分け方は?

 

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日本には「あへん法」など、医療・学術用のあへんを確保しつつ、その乱用を防ぐための法律がいくつか定められている。これらの法律では、「栽培などが許可されているケシ」と「禁止されているケシ」が決められており、薬用植物園でもその注意喚起が行われている。

ここで簡単に、不正なケシの見分け方を紹介しよう。

あへん法で示されている不正なケシの見分け方(開花期)

不正なケシ栽培の許可されたケシ
葉や茎に毛が生えているかほとんど剛毛がない葉や茎に剛毛が多い
葉は茎を抱いているか葉柄がなく茎を抱いている葉は茎を抱かない
葉の切れ込み比較的浅い葉が羽状に深く切り込んでいる

麻薬及び向精神薬取締法で示される不正なケシの見分け方

不正なケシ(ハカマオニゲシ)栽培の許可されたケシ(オニゲシ)
花の色は鮮やかな深紅色花の色や形は品種によって異なる
がく片蕾の時のがく片の毛は伏す 蕾の時のがく片の毛は開く
苞葉数が多い(5~7枚)無いか数が少ない(0~5枚)
柱頭の放射線数が多い(14~18本)数が少ない(10~15本)
茎につく葉数が多い(6~8枚)数が少ない(3~6枚)

引用:http://www.tokyo-eiken.go.jp/lb_iyaku/plant/tokyo-keshi/

これらの情報は公式サイトにも情報は載っているが、ケシの見頃である5月上旬~中旬なら薬用植物園で直接ケシを見ながら学ぶことができる。栽培の規制されているケシは他でなかなか見られないため、ぜひ直接足を運んでみてほしい。

染料・香料植物区

ニオイイリス

続いては、染料・香料植物区だ。このゾーン、筆者の場合知っている植物は少なかった。しかし、それぞれ私たちの生活の身近な部分で使われている植物ばかりだ。中でも、用途が予想外で驚いた植物についていくつか紹介していく。

上の写真はニオイイリスという植物。春には白いきれいな花を咲かせる。ニオイイリスは洗剤や歯磨き粉に使われている香料で、上品でフローラルな香りが特徴的だ。

オランダセンニチ

オランダセンニチ

オランダセンニチは形が特徴的で、別名「エッグボール」「ハトウガラシ」などとも呼ばれる。辛みを持っているがその程度は弱いため、観賞用もしくは佃煮などにして食べられている植物だ。

イブキジャコウソウ

イブキジャコウソウ

そして、こちらはイブキジャコウソウだ。今は花がついていないが、このように、初夏から夏にかけてピンク色の花を咲かせる。主に入浴剤などに使われており、私たちの身近にある植物だ。

 

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他にもこのゾーンには、日用品や料理に使われる植物が多く栽培されている。「薬用植物が生活の色々なところで使われている」ことを知る意味で、筆者的におすすめの植物区だ。

ロックガーデン、水生植物区

ロックガーデン区

ここで、ロックガーデンと水生植物区についても紹介しよう。
まず、ロックガーデンは山地性の植物が見られる植物区だ。区内はいくつかのブロックに分かれていて、様々な植物が植えられている。

シュウメイギク

こちらはシュウメイギクで、秋の始まりを知らせる花とも言われている。ちょうどこの秋の季節が見頃の植物だ。

水生植物区

水生植物区は、温室区の隣に位置する植物区だ。写真のように、生息するのに水が必要な植物が管理されている。植物の種類によって3段階の水深を用意しており、丁寧な管理体制を感じ取ることができた。

薬用植物の豆知識

ここで、薬用植物そのものについてお話しよう。薬用植物というと、薬局でもらえるような「お薬に使われている植物」のイメージを持つかもしれない。しかし上でも紹介したように、薬用植物はお薬以外にも料理やハーブなど様々な目的で使われている。

 

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タラの芽をたくさん採ってきました 天ぷらにして塩でいただきます #東川ライフ #山菜

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料理で薬用植物と言えば「山菜」もその1つだが、山菜などの「食べられる植物」と「有毒な植物」の見間違いによる事故はたくさん発生している。

薬用植物園では、そんなよく似ていると言われる「有名な薬用植物」と「有害植物」の見分け方も学ぶことができる。例をいくつか取り上げるので、気になる方はぜひ公式サイトも合わせて読んでみてほしい。

フキノトウとハシリドコロの見分け方

フキノトウハシリドコロ

左のフキノトウの苞(ほう)には白い綿毛が密生しているが、ハシリドコロの芽には毛がほとんどない
フキノトウの苞の中にはつぼみがたくさん詰まっているが、ハシリドコロの芽の中は葉が重なりあっており、つぼみは少ない。引用:http://www.tokyo-eiken.go.jp/lb_iyaku/plant/hukinotou/

ゴボウとチョウセンアサガオの見分け方

ごぼうチョウセンアサガオ

引用:http://www.tokyo-eiken.go.jp/lb_iyaku/plant/tyousennasagao/

左のゴボウの根は繊維質だが、チョウセンアサガオの根はもろく、折れやすい。ゴボウには、地際に束生する葉や苞葉が付いているが、チョウセンアサガオには地際に束生する葉はない。チョウセンアサガオの葉は、互生または対生状につく。

管理されている有害な植物

イヌサフラン

イヌサフラン

加えて、薬用植物園では有害植物の管理も行われている。いくつか例を紹介しよう。
まずは、冒頭のイヌサフランだ。食用として親しまれているギョウジャニンニクと間違えて食べてしまい死亡した事例も発生している。嘔吐や呼吸麻痺など、危険な症状を引き起こす植物だ。

キダチチョウセンアサガオ

キダチチョウセンアサガオ

こちらのキダチチョウセンアサガオは、エディフルフラワーと間違えて食べたことによる中毒事例が発生している。花の形はチョウセンアサガオに似ているが、全草が有毒のとても危険な植物だ。
しかし、その毒を生かして鎮痛薬などの原料にも使われている。

ほかにも、薬用植物園では危険な植物にしっかり注意書きがされている。薬用植物の危険性も学ぶことができるため、ぜひ解説もじっくり読んでみてほしい。

ふれあいガーデンでは物販やイベントも開催

ソバの葉

最後に、ふれあいガーデンについて見ていこう。ふれあいガーデンは「体験的に学び交流する憩いの場」をモットーにしているゾーンだ。

最初の写真はソバ粉の原料であるソバ。他にも料理でも使われるトウガラシや酸味が特徴的なブルーベリーなど、親しみやすい植物が多数栽培されている。

加えて東京都薬用植物園では、ふれあいガーデンを中心に物販やイベントも定期的に行われている。例えば以前は、カレーに使われているスパイスやハーブについて、実際にカレー粉を作りながら学ぶイベントが開催されていた。

他にも「薬用植物がどれだけ身近な存在か」を知れるイベントが色々用意されているため、家族連れや学生、子どもにもおすすめだ。しかし現在、感染症の影響でイベント関連は開催が中止されているので、落ち着いたら参加してみてほしい。

物販は現在も行われているため、気になる方はぜひ立ち寄ってみてはどうだろうか。

大人の社会科見学に

東京都薬用植物園は、入園料無料で様々な薬用植物に触れることができる。しかもそれぞれの植物に見頃があるため、いつ行ってもその季節ならではの光景を楽しめるのが魅力的だ。

薬用植物というと少し、固い印象を受けるかもしれない。しかし実際足を運んでみると、知っている植物や耳なじみのある植物にもたくさん出会える。
ぜひ直接足を運んで、薬用植物の魅力に触れてみてはどうだろうか。

詳細情報・アクセス

住所小平市中島町21-1
最寄り駅西武線・東大和市駅
営業時間4〜9月は9:00~16:30、10〜3月は 9:00~16:00
休園日毎週月曜日、年末年始(12/29~1/3)薬事資料館は土日祝日も開館
入園料無料
公式サイトhttp://www.tokyo-eiken.go.jp/lb_iyaku/plant/

 

水生植物区
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