【白山】東京十社めぐりのひとつ、1000年続く白山神社を散歩

白山駅を出て徒歩3分。おしゃれなイタリアンや築浅のマンションが立ち並ぶ道を歩いていると、大きな鳥居が目に入ってきます。

鳥居をくぐった先には、地元の方やわざわざ訪れたであろう参拝客の方が鈴を鳴らす音が響きます。

今日は東京十社にも数えられている、白山神社をご紹介します。

東京十社とは

明治天皇が東京にお移りになられた際、勅祭社（ちょくさいしゃ－京都にある、国家鎮護のために天皇陛下から勅使が遣わされる神社。）に准ずる神社として、准勅祭社を定められました。やがて准勅祭社という制度はなくなりましたが、これが東京十社の起源となっています。

文京区に1000年以上続く白山神社

白山神社は、石川県白山市にある白山比咩神社の祭神の霊を分かち祭られた神社です。その歴史は古く、948年(天暦2年)から文京区内に社を設け、その後何度か社を移しましたが、1655年から現在の地に落ち着き、この街を見守っています。

白山神社の主なご利益

白山神社は縁結びの神社としても有名です。
御祭神である菊理姫命(ククリヒメノミコト)が、伊弉諾命(イザナギノミコト)と伊弉冊命(イザナミノミコト)の夫婦喧嘩を仲裁し仲を取り持ったという神話に由来します。

そのため恋愛だけではなく商談成立、商売繁盛、受験、家内安全など幅広い仲介にご利益があると言われているそうです。

また、航海安全をお守りくださるため近年は海外旅行者にも人気の神社となっています。

入り口は二箇所

白山神社の入り口、ひとつ目がこちらです。裏通りの細い道に繋がっているのですが、正式な入り口はこちらなのだそう。長い階段を登った先に、神社があります。

ふたつ目の入り口はこちら。白山駅からも近く、階段も少ないため、多くの人がこちら側から訪れているようです。
大きな鳥居と門柱が立派ですね。

手水舎

本殿の手前にある手水舎です。参拝前にはここでお清めをしましょう。
木やお札の色褪せ具合から、とても歴史のある建物だと感じることができますね。龍の石像の威厳が強く現れている気がして、この時点から思わず身が引き締まりました。

本殿

古き趣きが感じられる、立派な本殿です。
都内にある神社は建て直され新しくなったものも多いですが、白山神社は歴史ある本殿が未だに残っている、貴重な神社でもあります。

梅雨の時期にはあじさい祭りが開かれる

 

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白山神社の裏手にある富士塚には、あじさいがいっぱいに植えられています。開花の時期になると、あじさいが視界一面を埋めつくす絶景に出会うことができるんです。

このお祭りはあじさいの名所として、開花の時期には行列ができるほどの賑わいとなります。
この時期しか味わえない景色なので、ぜひ足を運んでみて下さい。屋台も出ているので、お出かけスポットとして楽しめますよ。

疲れたら白山公園でひと休み

あじさいでいっぱいの富士塚のさらに裏手には、白山公園があります。疲れたらこの公園のベンチに座り、ひと休みしましょう。

白山はファミリー層が多く住んでおり、近くには小中学校もあることから、休日になると公園は地元の人々で賑わい、和やかな風景を味わうことができます。

地名の由来にもなっている「白山」

元々の神社がある石川県では白山(シラヤマ)と呼ばれていますが、この街ではいつのまにか白山(ハクサン)という地名が定着していました。
この辺り一帯の地名が白山というのは、白山神社の門前町として街が出来上がっていったからです。

今回白山神社を取材していて感じたことは、地域の人が多く訪れているのだなということでした。
お宮参りなど、わざわざ遠くから訪れただろう方もいましたが、多くは散歩の途中で立ち寄ったような地元の方々中心です。
驚いたのは、大学生や中高生などの、若者の姿が多いこと。わたしがその年齢のころに神社をあまり訪れなかったこともありますが、白山神社は本当に地元の人に愛されているのだなと感じました。

何世紀も前からこの場所に佇む白山神社は、この街と共に生きてきました。関東大震災や東京空襲などの様々な困難を乗り越え、今もこの地に佇んでいます。

もしかしたら、参拝に訪れていたおばあさんはここで七五三の記念写真を撮ったのかもしれないし、大切な人との思い出が詰まった場所なのかもしれません。そしてそのお子さんやお孫さんも、同じ時間をこの白山神社に刻むのかもしれません。

街に寄り添いながら時を刻む神社、白山神社。もしあなたがこの街に縁のない方だったとしても、ありとあらゆる縁を紡ぐこの神社は、この記事を読む、という縁すらも繋いでくれたのかもしれません。
ただの偶然かもしれない、でももしかしたら、白山神社が繋いでくれた縁なのかもしれない。

もしそんなご縁を信じて下さるのなら、ぜひ一度白山神社を訪れてみてはいかがでしょうか。

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