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【つつじヶ丘】クルアタイはガチで本場のタイ料理が食べられる

日本で食べられるタイ料理は大きく分けて「日本人の口に合わせて作ったタイ料理」と「本場タイの味を忠実に再現したタイ料理」のふたつがある。日本人には慣れない味という事もあり、割合は前者が圧倒的に多い。

ちなみに私が好きなのは後者の本場の味。
日本では馴染みの少ない独特な風味や鼻にツンとくる刺激的な香りは中毒性があり、一度あの味を知ってしまったら、定期的に発作のように食べたくて仕方なくなるという症状に悩まされる。

特に夏に食べるタイ料理は最高で、口から入った刺激が身体中に染み渡り、夏バテなんて吹っ飛んでしまう。

そんな本場のタイ料理好きの人々が絶賛するお店が、調布市つつじヶ丘にある。

タイ人女性がひとりで切り盛りするクルア タイ(Krua Thai)

つつじヶ丘クルアタイ

京王線つつじヶ丘駅北口を出て徒歩3分。甲州街道沿いにあるタイ料理屋クルア タイ(Krua Thai)。
タイ語で「タイの台所」を意味するクルア タイはバンコク出身のタイ人女性ナッタポンさんがひとりで切り盛りし、今年で11年になる。

一見ちょっと古びた喫茶店のような外観ですが、実はここ、知る人ぞ知る絶品タイ料理のお店で、地元の人はもちろん、わざわざ電車を乗り継いで食べにくる人もいるほどの人気ぶり。

6種類のランチメニューをはじめ、決めるのが大変なほど多くのメニューがある。

クルアタイメニュー

タイ料理は名称だけではどんな料理か一切見当がつかないものも多いので、全部の料理に写真と説明がついているのがありがたい。

味のある店内

クルアタイ店内

女性を中心にタイ料理ブームが来てからというもの、お洒落な内装のお店、不自然なまでに「タイ感」を出したお店が多く登場しましたが、そういったお店とは対照的に、いかにも「居抜きをそのまま使いました」な店内。本物のタイ人だからこその余裕でしょうか。

「味さえ美味しければいいのよ。」ナッタポンさんのそんな声が聞こえてくるような気がする。

ちなみに、つい数時間前にランチを食べに行ったのですが、平日の昼間、しかもコロナウイルス騒ぎの中でも満席。すごい。

日本人の舌に一切寄せない本気のタイ料理

本場のタイ料理
(ランチセットB:トムヤムヌードルセット 900円)

本場のタイ料理は味も香りもクセが強いので好みが分かれてしまうのは周知の事実。

しかしそんな中、ナッタポンさんが作るタイ料理は、日本人の好みに一切寄せない本気のタイ料理だ。
さらにいうと、タイの高級料理屋やホテルのレストランで食べる上品なタイ料理ではなく、タイの人々が日常的に食べるタイ料理。

まさにタイの台所。
確実に好みが分かれる味だけど、好きな人にはたまらない。

毎年、年に1度1ヶ月程度タイに滞在する私はナッタポンさんのトムヤムヌードルを一口すすった瞬間に、「久しぶりのタイだ…。」としみじみした。口の中が完全にタイだ。

トムヤムクン

日本の控えめなタイ料理とは全く違う、異国の地の人に食べさせることに対する遠慮やためらいなどを一切感じさせない本物のタイ料理。まさか日本で食べられるなんて。

めちゃくちゃ美味しい。
今これを書きながらも、思い出して口の中によだれが溜まるほど美味しかった。

私は大好き。しかし、この味、繰り返しになるが決して万人ウケするものではない。
ダメな人にはダメだ。
これを日本で出すのは勇気がいることだろう。

迷いはなかったのか聞いてみると、「え?タイ料理が食べたくてみんなお店にくるんでしょ?それなら本物のタイ料理をださないと。」と、なんでそんな当たり前のこと聞くの?と言わんばかりの顔で笑って答えてくれた。

確かにその結果、クルアタイは人気店になりお客さんが溢れている。

朝早くから夜遅くまでたったひとりで働くワケ

11年間、お店をたったひとりで切り盛りするナッタポンさん。
忙しく動き回り額に汗がにじんでいても微笑みを絶やさない。

そんなナッタポンさんの1日はハードスケジュールだ。
朝早く起きてランチの準備。
いざお店を開けたら、料理も接客も、配膳もお会計も片付けも全部ひとりでやる。

14時に一旦店を閉めたら、そのまま座ることもなく、夜の開店に向けての準備や買い出しに行く。
17時に店をオープンさせたら22時まで立ちっぱなし。お昼と同じくひとりで全ての業務をこなす。帰宅は毎日夜中の2時か3時。

休憩できるのは全ての準備が終わり夜の開店までのほんのわずかな時間。
この時間を使って仮眠をとることもあるそう。

ナッタポンさんがこんな毎日を11年間続ける理由はひとつだけ。

「タイ料理を好きだと言ってくれるお客さんに美味しいタイ料理を安く食べさせたい。」

ナッタポンさんには食材をケチらないというポリシーがある。
安い料理でも良い食材を使って提供したい。

実際に、私が頼んだランチセットについてきたデザートはヨーグルトではなく生クリームが使われていて驚いた。

そりゃ生クリームを使った方が美味しいけど生クリームは高いから、安いランチセットのサービスデザートで使うなんて普通はしない。

話は戻るけれど、今でも利益は最低限しか出ていないので、人を雇えばその分人件費がかかり、値上げせざるをえなくなる。だから人は雇わず朝から晩までひとりで働く。全てはお客さんのために。

常連さんが自然と協力してくれる

そんなナッタポンさんの姿を見ている常連さんたちは、料理が出てくるのが遅くても何も言わずに待ってくれるそう。更には、忙しい時に協力してくれることもあるそうで、だからこそそんな人たちに値上げをしたくないと思うナッタポンさんと、そんなナッタポンさんを応援する常連さん達。クルア タイは、優しさが循環する温かいお店だ。

常連さんが先日タイに行ったそうで、帰国後お店に顔を出し、「タイのどんなお店よりナッタポンさんの料理が一番美味しかった」と言ってくれたと、それはもう嬉しそうに話してくれたナッタポンさん。
本当にお客さんの一言一言を嬉しく思っているのが伝わる。

タイのお母さんの味が知りたければクルア タイへ

ナッタポンさんには20代の娘さんが2人いる。
今は離れて暮らしているけど、どんな料理よりもお母さんが作るタイ料理が大好きで、会うたびにリクエストしてくるそう。

ナッタポンさんの料理はタイ料理好きの間でも評判が良いことを伝えるとナッタポンさんは不思議そうに言う。

「私は特別なことは何もしていない。タイで家族のために毎日作っていた料理をいつも通り作って出しているだけだよ。」

タイ人のお母さんが、肩肘張らずにいつも通り作る家庭料理。
隠し味は家族(常連さん)を想うお母さんの愛情。

クルア タイで出されるのは、刺激的な料理なのに一口食べると優しい気持ちになれる不思議なタイ料理。

本物のタイ料理を求める人はぜひ足を運んでみてください。

店舗情報・アクセス

住所〒182-0006 東京都調布市西つつじケ丘2丁目1-10
電話番号03-3309-8223
最寄駅京王線つつじヶ丘駅から徒歩3分
営業時間12:00~14:00 / 17:00~22:00
定休日月曜
テイクアウト

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