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【方南町】屋根に釜が乗るお寺。釜寺東運寺

方南銀座商店街を南側へ散策していくと突然現れる山門。
そこには、方南町の象徴ともいえる「釜寺東運寺」がある。

なんと四百年以上の歴史があるこのお寺。
お釜が乗っかっていることも特徴的な上、仏事以外にも地域密着の様々なイベントがあるようだ。

今回はそんな釜寺を紹介してまいりましょう。

杉並区最古のお寺

杉並区釜寺

開山四百年以上の伝統をもった、阿弥陀如来像を本堂とする浄土宗寺院。
方南町にあった釜寺と、入谷にあった東運寺が合併し現在に至りました。

杉並区で一番古い歴史あるお寺です。

お釜と身代わり地蔵尊

さて興味深いのがこれ。
いったいなぜお釜が本堂の屋根に乗っかているのか??

まず「釜寺」という通称の由来となったものは「身代り地蔵尊」。

それは森鴎外の小説、『山椒大夫』(さんしょうだゆう)に出てくるエピソードに因んでいます。

行方不明になった父親を探しに、母と姉とともに旅に出た幼き少年、厨子王(ずしおう)。
道中で悪質な人買いに騙されて母と姉弟は離ればなれになりました。そして京都の強欲な富豪、山椒大夫に奴隷として売り払われ、数々の苦難が訪れます。ふたりは劣悪な環境と過酷な肉体労働に耐え忍びました。親から手渡された2つの宝物と姉弟の絆を心の拠り所にして。その宝物の1つであった守り本尊の地蔵が、山椒大夫に釜ゆでにされそうになった厨子王を、お坊さんの姿になって助けたという言い伝えがあります。

そのエピソードにちなんで、本堂の屋根に釜を置いたといわれています。

小説では、厨子王は後に丹後(京都)の地方役人にまで出世することになり、人の売り買いを禁止する新しい法律を発表したため、山椒大夫も奴隷たちを解放してお給料を支払うしかなくなりました。
二度と会えなくなってしまった家族もいたけれど、最後には母との再会を果たしたのです。
ここに至るまでにも、この守り地蔵に幾度も幾度も助けられたそうです。

大きな大きなお釜

屋根の上のお釜

ところで、現在の大釜は、昭和20(1945)年の戦災で本堂焼失後、お寺を信仰していた人たちが寄付したものだそうです。その大きさはなんと一度に米一俵(60キログラム)を炊くことができる程。

ちなみに米一俵とは、約400合です!!そう考えると驚きの大きさですよね?!

四季の景観を楽しむ

 

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都心のお寺としては樹木がおおく、桜、紅葉、春の茶花、たけのこ、ふきなど、四季の移ろいを楽しむことができます。

境内の階段を上り、本堂を前にして右手奥には、ひときわ背の高い樹木「楷樹-カイノキ」があります

これは孔子の子孫より寄贈された種子から育った珍しい木で、杉並区の貴重木となっています。
貴重木とは、樹齢数百歳を超える木や、杉並区内で成長することが珍しい木を、保全するために区が指定したものです。杉並区公式情報サイトより

 

ペットと一緒に入れるお墓

本堂の裏側には墓地があります。
東運寺では色々なご要望に対応できるように、永代供養墓、合祀納骨堂、樹木葬、友人同士でのお墓、姓が変わっても継承できるお墓、など、様々なタイプの墓所が用意されている。
そして大切なペットも家族の一員として、一緒に入れるお墓の用意もされています。

地域とのつながりを大切にする

釜寺東運寺では、「地域とのつながり、人々とのご縁を大切に」というテーマを掲げ、毎週様々なイベントを開催しています。

何度もここを通りかかっているのに全く知りませんでした。
しかも調べてみると内容がこんなにも盛沢山なんです!!

◇お寺 de ハンドメイド in 釜寺東運寺

毎月最終金曜日 15時30分から16時45分
方南まっこみゅ実行委員会主催の小中学生向け手芸教室。
ビーズアクセサリーやハーバリウム、キャンドル作りなどを楽しめます。

◇将棋サークル

月2回月曜日開催 14時30分から17時30分(小学生は17時まで)
杉並区いきいきクラブ連合会と、方南小学校支援本部との共催の将棋サークル。

老若男女問わず、将棋を楽しみたい方はどなたでも参加できます。
また、月に1回公認指導員から指導が受けられるという特典もあり、
初心者の方には駒の動かし方から、腕に自信のある方には対局指導も受けけられるます。

◇リラグゼーションヨガ

毎週水曜日開催14時から15時30分
本堂での心地よい寺ヨガ。

ゆっくりゆったりと、きついポーズや動きはなく、高齢者の方でも身体の硬い方でも出来るヨガ教室です。
マット、ブランケットは用意されています。
汗拭き用タオルと水分補給用の飲み物を持参し、動きやすい格好で参加できます。

◇書道教室

月1回日曜日開催 13時から14時30分
中学生以上対象の書道教室。

杉並区書道会の先生、方南小学校支援本部書道教室の先生にご指導頂けます。
なんと、経文を書き写す「写経」や、仏様のお姿を写し描く「写仏」もできる。
道具は教室からお借りしても、持参してもどちらでもよいです。

書道教室終了後には、茶話会「釜寺かふぇ」があり、お茶菓子を食べながら、仏事の事や世間など話などコミュニケーションも楽しめます。

◇音叉ヒーリング

月1回火曜日 14時から15時まで
「音」によるヒーリングで、聴いているだけで脳も心も体も整い活性化します。

音叉を使って周波数が調節され、波動が上がることによって、毎日の疲れやストレスで凝り固まった心がほぐれ、この上ない癒しを感じることが出来るそうです。
用意が必要なものはなく、普段着のまま参加OK。

仕事と家事で朝から晩までばたばたしてる日々ですので、私としては最も興味のあるイベントですね。

◇釜寺マルシェ​

毎月1回日曜日 方南銀座商店街「方南町まつり」に併せて開催 。
方南銀座商店街町おこし隊主催のマルシェです。
2019年にはこんなチラシで宣伝していて出展者を募っています。

本堂内ではワークショップ、境内にこのように様々なブースが出展されていたようです。

方南銀座商店街の「方南町日曜まつり」、ベビーカーおろすんジャーの「おろすんまつり」と併せて開催されていました。

以上色々と紹介しましたが、

現在は、新型コロナ・ウィルス感染症の拡大に伴い、イベントを自粛しています。再開は、感染症終息後を予定をしているようです。

ここはどなたでも無料で参加を歓迎しているので
感染症終息後、マナーを守り地域の人とのつながりを是非体感してみましょう。

実際に足を運んでみて

方南銀座商店街を南側に散策し、坂を下り川が見えてきたその手前。
左手に風情ある空間が現れます。

さすが開山四百年以上の歴史を誇る古いお寺。山門の木の古さがその歴史を物語っている。見上げるとお札がたくさんはってあります。

足を踏みいれると多くの樹木の隙間から、風が優しく吹き付けてくる。

その日は猛暑日。真夏の象徴、セミの鳴き声がすごかった。それはもう耳が痛い程に。
夏の終わりにはスズムシやコオロギなどの虫の音が聞こえ
秋や春先にはまた別の虫の音色が聞こえるのではないでしょうか?
青く生い茂った木々。秋には紅葉に代わっていくのでしょう。

奥に進み本堂への階段を上る。
階段の途中で入り口の方向を振り返ってみたら、竹林とその隙間の太陽の光がとてもが美しく見えた。

目でも耳でも風でも、近い距離で四季を感じることができそうです。
噂のお釜を見に来るもよし、ゆったりと自然を感じるのも良し、地域とのコミュニケーションを楽しむもよし。

方南町に来た際には是非ともお立ち寄りください。

詳細情報・アクセス

住所東京都杉並区方南2-5-4
最寄り駅東京メトロ丸の内線「方南町」駅2番出口から徒歩5分
都営バス「釜寺」より徒歩1分
公式サイトhttps://www.kamadera.jp/
​電話03-3316-5801

 

屋根の上のお釜
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